2001年8月21日(火) 20:43

ドイツは欧州に「古典的リベラル憲法」を求める

ドイツ側の議論はEUの社会的構成要素の考察に欠ける憾みがあると指摘 − 研究者は東欧の懸念をテーマに取り上げる

AP通信員トーマス・リーティッヒ

ハレ / リベレツ(AP)

ドイツ政府は、27ヶ国もしくはそれ以上の加盟国を抱える欧州連合の基本構成として「古典的リベラル憲法」を想定している。しかしまた同時にこの問題をめぐるドイツ国内の議論では、EUをアメリカ合衆国や東南アジアと比較される唯一独自の共同体に作り上げる社会的な構成要素が強調されていないことを遺憾としている。

フランスのリヨネル・ジョスパン首相は欧州の将来像に関する演説でともかく社会的構成要素を取り上げたものの、フランスの国家としての独立性が問題になると常に、共同体の前提となる機構組織の再編を認めず従来の枠に押し込めようとした、とドイツ政府の代表は指摘した。ドイツもフランス革命の遺産を守ろうとしていることには変わりなく、しかもこれは最優先事項であるが、その一方で「その名に相応しい真の欧州行政府を厳しく議会が監督する」必要があるのである、と続けた。

研究者はとりわけ加盟国の懸念をテーマに取り上げた。不安には様々なものがあり、国家としてのアイデンティティーを失うのではないかという恐れから、ドイツが最強かつ最大の国として再び欧州を支配下に置く−ただし今回は経済的支配によって−という恐れも存在するという。

他方でドイツに指導的役割を期待する声もある。これはおそらく知識人の多くが、中東欧の国々の願望を代弁する弁護人の役割をドイツに認めたことによる。ドイツ政府はこれに関して、ドイツは指導的役割を固辞するものではないが、その役割を「我々が欧州の決定事項をさっさと決められるように」利用するつもりはない。モットーは「リーダーシップ結構、ただし一国だけではなく」である、と約束した。この件に関してニースのEU首脳会議が引き合いに出され、ドイツは閣僚理事会の議席配分で他の三大国以上の票を手にすることを意識的に放棄したのである、と述べた。

フランス革命の遺産

ある研究者は、世論の動向を悪化させないように第一陣の加盟では「完全に」基準を満たす国のみを受け入れることを求めた。またゲルハルト・シュレーダー首相は火曜日チェコにおいて、EU拡大に関する公の発言の中で拡大の根本的な論拠に言及し、「フランス革命と啓蒙の伝統の遺産」を守ることが肝要なのであると述べた。同首相はまた、ドイツも怠っているような多くの価値観の法整備を行っているチェコは加盟の第一陣に含まれるだろうと保証した。

最後に首相は久しく言及しなかった加盟期日を明言した。2004年にチェコ共和国は「EUの構成国として」欧州議会選挙に参加することになろう、と首相は述べた。これまで首相は常に、第一陣の国々はたとえ構成国になっていなくとも欧州議会選挙への参加が認められるべきである、と発言してきた。

原題:Deutschland fuer eine《klassische liberale Verfassung》Europas
Soziales Defizit in der Disussion auf deutscher Seite beklagt - Wissenschaftler thematisieren Sorge im Osten